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日墺協会　春の美術館コンサート　報告

　　桜の開花が待ち遠しい早春の3月15日、久米美術館で恒例の「春の美術館コンサート」が開かれました。今回は、「日本音楽界期待の新星、ピアノ・トリオの名曲を弾く」と銘打った演奏会で、メンバーはヴァイオリンの土岐祐奈さん、チェロの笹沼樹さん、ピアノの平山麻実さんの20代から30代初めの若手3人組。何れも国際コンクールで上位入賞した人たちばかりです。
　１曲目はいきなり名曲中の名曲、ベートーヴェンのピアノ三重奏曲第7番「大公」。実力のある3人が息を合わせてこの大曲に挑み、アンサンブルを大事にしながらも各自の粒だった音色を響かせていました。2曲目はベートーヴェンの後継者ともいうべきブラームスのピアノ三重奏曲第1番。この曲はブラームスらしい人生の陰影を感じさせる渋い曲ですが、若い3人はこの大曲にも果敢に取り組み、重厚な演奏を披露していました。
　今回の演奏会では、「美術館コンサート」では珍しく、音楽を勉強している小中・高校生など若い人たちも沢山訪れ、お兄さんお姉さん世代の演奏家の見事な演奏を間近で聞き入っていました。また従来の音楽に詳しい年配の会員の皆さんも、若手演奏家の熱気あふれる演奏を頼もしく感じながら鑑賞していました。（参加者88人）