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日墺協会　2024年3月　春の美術館コンサート　報告

2024年3月23日

　

　 桜の便りが未だ待ち遠しい3月23日、恒例の「春の美術館コンサート」が久米美術館で開かれました。この日はあいにく小雨模様の天気でしたが、わが国ピアノ界のレジェンド的存在の深沢亮子さんと世界的に活躍されるフランス在住のヴァイオリンの名手、瀬川祥子さんによる珠玉の演奏を期待する参加者の熱気に溢れていました。（参加者78名）

　今回のコンサートは珍しくオール・モーツァルトのプログラムで、前半のK296、K304と休憩を挟んだ後半のK454という、モーツァルトの代表的なピアノとヴァイオリンのためのソナタが披露されました。いずれも、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタらしく、ヴァイオリンとピアノが対等に渡り合うデュオ演奏で、お二人のぴったりと気心のあったアンサンブルの妙を堪能することが出来ました。特に、モーツァルト唯一の短調のヴァイオリン・ソナタであるK304の繊細でセンチメンタルなフレーズの数々は聴く者の心に印象深く残されたことでしょう。

　そして万雷の拍手に応えてのアンコール曲は、いずれもウィーンにゆかりの二人の作曲家、シューベルトとブラームスの作品からでした。シューベルトは、ソナチネ第3番の第3楽章メヌエットで、ブラームスは、ヴァイオリン・ソナタ第3番の第2楽章で、お二人の名演奏を締めるにふさわしいものでした。（ちなみに、瀬川さんの弾かれたヴァイオリンは名器ガルネリでした。）

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